工事中を、時々UPしていたシンプルな木の家が完成しました。
7月27日(土)28日(日)9:30〜17:30
マキノ町西浜(マキノ駅近く)でオープンハウスします。
杉の木の香りいっぱいのお部屋を感じに来て下さい。
一日ぼんやりしながら本田がお待ちしています。
色んな建築の疑問にもお答えできるかな、と思ってます。
どこかの住宅展示場のようにしつこくアフター営業しません。
(そもそもほんだ建築に営業マンいませんので(笑))
シンメトリーなかっこいいキッチン。お客様が冷蔵庫はカッコ悪いので左奥の扉の奥に隠しましょう、と言われたのでこういうシンメトリーな写真の形ができた。自分が考えていたら、右端の角に冷蔵庫スペースを作りそこに冷蔵庫が置かれたと思う。
自分は二流の設計者やと思う。一流の建築家は「塔の家」とか「スカイハウス」とか「住吉の長屋」とか、コンセプトを明確に示す家の名前を提示している。私は、この家のタイトルを自分で決められない。お客さんのいう通り建てただけやからなー、っていう感じ。昔三十くらいの時、「後衛の建築家」という文章が建築の雑誌に載った。その時から、二流でいいのだ。一流の二流になろうと、思って今に至っている。
以下、MY過去ブログ「クリエイトとは、後衛の建築家」少し長い。
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世の中は、才能のある人ばかりではない。いや、ホンの一握り以外は凡人で、その集団が実際は社会を動かしている。
吉田研介という建築家がいます。
その方が編集された、建築知識別冊・建築ノート1・デザインテクニックという本の前書きにこのような文章が掲載されていました。(79年発行の本なのでもう絶版になっています)
・・・スポーツでは、守備の位置で前衛とか後衛とか言うが、芸術の世界では、後衛ということはあまり言わない。建築家でも前衛と言えば何人かが思い浮かぶが、後衛の建築家は誰だろうと言われてもピンとこない。・・・スポーツでも前衛というのは、守ることより攻めることが役割であり、少々無茶をやっても、進んで攻めなければならない。・・・・・・私は、後衛の建築家をこう考えている。
それは、毎日着実な手法と定着した価値観に基づいて建築を作っている人たち、である。新しいものに向かって仮説を立て、提案を試みようとする前衛の建築家に対して、既に検証済みであるか、あるいは、少なくとも世に発表されたものを見て、それを受けとめる形で自分も応用してみようとする建築家、私はそれを後衛の建築家と呼ぶ。ところで、着実とか、定着したと言っても、惰性や慢性とは区別しなければならない。うっかりしていると、着実で定着したと思っているものが、惰性や慢性に陥っていることがある。
何も、常に新しい提案を皆がし続けることはない。
しかし、前衛が切り開いた道を辿るにしても、適切な応用と正しい理解を怠けて、表面的なものにだけの追随をしたのでは、惰性や慢性に陥る。・・・
この一文は、才能あるクリエイター(ここでは前衛の建築家)とは異なる、一般の人間(ここでは後衛の建築家)のよって立つ位置を明確にしてくれます。
何かすばらしい未知なる物を作らなけれならない、という強迫観念のようものにさいなまれていた、若い当時の私に、大きな安心と明確な指針を与えてくれました。そうだ、有名建築家だけで世の中全部の建物なんて建てられない。「着実な手法と定着した価値観」でこつこつと創り続け行けばいいのだと。そして、「惰性や慢性に陥る」ことのないよう、気を付けながら。
それは、常に新しい良いものに感動する心と、何がどう良いかということの分析を、建築に対して、持ち続けていくことだと思う。
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posted by ほんだ at 05:37| 滋賀 ☁|
Comment(0)
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やっぱり建築に興味が(my work 関連)
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