日野町にある和風のヴォーリズ建築、O邸にお邪魔しました。
つい10年くらい前までは、実際にお住まいになられていた住宅で、水回りの改修や多少の増築はされていましたが、骨格部分はしっかりと残ってました。
これから登録有形文化財に登録し、持ち主の方が活用方法をどうしようか?と考えておられる段階。建物見学にお伺いしたのですが、今津郵便局の会の活動を逆取材され、良い意見交換会となりました。
★この和室、床の間の柱割が見事。少し床柱を左に降って、素封家にしては大きくない仏壇(分家のためか?)が真ん中に納まり、3尺5寸巾くらいの引違の襖で納めてある。ぴたっと閉めると慶事にお仏壇の雰囲気がすっかり消せるし、仏事には、真ん中にデンと座る仏壇の前の一同並ぶ、昔、二間続きの座敷をいくつも設計していたころ、うまい方法ないかなーといつも悩んでいたのが、ここにスッキリした正解?があった。この住宅の財産は、写真に写っているテーブルの上の「玉手箱」設計図から仕様書から、大工や設計事務所に支払った当時の領収書まで、一式が丸ごと残っていた。
★図面や領収書が入っていたヴォーリズ事務所の封筒、一つ一つが歴史的にも立派な財産のように思う。
★大きな住宅にしては小さな玄関、床や腰のタイルがヴォーリズ建築(昭和初期洋風住宅?)らしい
★腰壁クローズアップ、残っていた設計仕様書に「泰山布目タイル3寸5分角」とあり、その通りに仕上げられている。
★玄関脇のサンルーム。これもヴォーリズ建築によくある部屋。
★和室から縁側を見る、腰板なしの摺り上げ障子が、モダンデザイン風に見えた。
★当主の秘密基地、階段下の空間が引き出しになってうまく利用されてるのがわかる。当主は、写真がご趣味だったようで、暗室になるよう工夫されている。
★階段はヴォーリズ建築のプロトタイプ的な感じ。緩い折り返しの階段。そして、中廊下の中央あたりに配された階段はその踊り場が外部に面し、暗い中廊下に外光を導いている。
★乳首のような(笑)ドア戸当たりが可愛い
★水回りは改装されているが、腰から上は当時の雰囲気をうまく残している。
★隅鬼瓦、紋章が、「米・米」と見える、一柳米来留(ヴォーリズの日本名いちやなぎめりる)の米からの由来か、一粒社社ヴォーリズ建築事務所の「一粒」から由来か、どうも施主の家紋由来とは思えない紋章に思える。
★外からは、ほとんど日本家屋、このような、ベース和風住宅に、ヴォーリズテイストを織り込んだ、このような建築は、多作のヴォーリズ建築でも、例がかなり少ない、とのこと。
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